2025年7月27日、世界屈指の名門サッカークラブFCバルセロナ(バルサ)がJ1ヴィッセル神戸とノエビアスタジアム神戸で国際親善試合を開催しました。しかし、その“表舞台”の成功の裏には、想像をはるかに超えるドラマと混乱があったことをご存じでしょうか。本稿では、「開催中止危機」「安田グループの実態」「楽天による支援」など、関係者・ファン双方を揺るがした一連の騒動を、より詳細に解説します。
1.バルセロナ来日決定と異例の中止危機
当初、今夏の日本ツアーの開催は大手プロモーター「安田グループ」が中心となり準備されていました。これまでにもスペインの強豪クラブとのスポンサー契約やイベントを精力的に展開し、急成長中の企業として注目されていた同社ですが、バルセロナの来日費用——約500万ユーロ(当時レートで約8億6,500万円)の支払いを約束したものの、直前になって資金調達に失敗。バルセロナ側が「契約不履行」として一時“来日中止”を公式発表するという日本のサッカー界を揺るがす事件となりました。
- 安田グループとは?
設立は2023年、登記資本金は10万円という“新進気鋭”ながら、代表の安田慶祐氏は「安田財閥の子孫」を名乗り、華やかな経歴をアピール。しかし、その血縁や経歴には疑義も多く、過去にも資金トラブルや契約不履行による訴訟が報道されるなど、業界内での信用問題が根深く存在していました。
2.楽天・三木谷会長による異例の資金肩代わり
試合開催は絶望視されましたが、ここで“救世主”となったのがヴィッセル神戸のオーナー企業・楽天グループです。三木谷浩史会長が直談判でバルセロナと交渉、「全額負担」を表明し、8億円超の資金を即時手配。バルセロナ側が直前で契約続行を受け入れ、来日と試合開催が土壇場で決定しました。
- 楽天は2017年~2022年の間、バルセロナのメインスポンサーとしてグローバルな信頼関係を築いており、この実績も関係者の迅速な合意につながったと言われます。
- SNSやメディアでは「三木谷会長の決断力」が大絶賛される一方、「安田グループの無責任経営」への激しい疑念と批判が噴出しました。
3.騒動が浮き彫りにした日本スポーツ界の問題
今回の騒動の本質は“試合開催自体”だけでなく、資金の流れやスポンサーシップ、急成長企業のガバナンスリスク、日本のスポーツビジネス界が抱える慢性的な検証不足など、様々な問題を浮き彫りにしました。
- スポンサーの資金力・実態確認
急成長ベンチャーや新規参入企業が表面上派手な活動で注目を集めつつも、肝心の資金力や信用周りが疎かにされていたことで、多くのファンや業界関係者が「スポンサーリスク」を強く認識させられる事態となりました。 - 危機対応力とリーダーシップ
三木谷会長の迅速な決断・財務支援対応は、「経営トップのリーダーシップ」「信用ある実績が危機時に活きる」ことを全日本に印象付けました。
【まとめ:騒動のポイントと考察】
- バルセロナ来日親善試合は主催者の資金トラブルにより一時中止危機に。
- 安田グループは財閥子孫を名乗るが、資金面・信用面で深刻な疑念があり、過去にも金銭問題。
- 楽天・三木谷会長が約8億円を即時肩代わり、来日を実現。